平成24年度コーディネーター養成講座 第5日目

第5日目は、株式会社テクノエーピー荒井社長による「元気な企業経営」と題し講義いただいた。
荒井社長は52歳のときテクノエーピーを設立したという。その際、社長自ら定款・会社理念を考え、仕事を通して人間も成長できる会社を目指したという。

3・11 東日本大震災が経営の転機となったと振り返っておられた。
原発事故報道から放射線測定器が不足していることを感じ、自社で放射線測定器を開発、
いち早く市場に投入したという。開発に際し、何よりスピードを重視したため公的補助金は利用せず自社資金で賄ったという。

そのときの荒井社長の的確で素早い決断を知ることができた。
中小企業が生き残るために何が必要か・・・他社との競争に勝てる技術を磨くこと、
優秀な人材を確保することの2点を挙げられた。荒井社長はそれを真っ向から実践して
いるからこそ今のテクノエーピーがあるようにも感じられた講義でした。

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後半は、筑波大学教授上原氏よりILC(産学リエゾン共同研究センター)における
産学官リエゾン活動、インキュベーション実施・支援についてと題し講義いただいた。
活躍できるコーディネーターとは、信頼関係を基に、いかにコーディネーター自身が相手から信用されているかにかかっているという。
目標とすべきコーディネーターは坂本竜馬だとおっしゃっていた。

国・県等の補助金、助成金についても新技術や新製品を開発することが目的であれば
中小企業にとっては大変有効な制度ではあるが、補助金を取ることが目的となってしまってはいないかと鋭く指摘されていた。
本当に必要な開発ならば補助金等を当てにせず自己資金を投入すべきとも熱く語られていた。

中小企業の本来あるべき経営の姿、コーディネーター目指すべき姿について事例を交え説明されており、
「中小企業支援」と称し行ってきたこれまでの活動は本来の目的に沿っているか自問自答しながらわれわれNNS活動を含め再確認させられる講義であった。

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